内外の読者の方々に、台湾の小規模な造酒場や醸造所が作る酒類を知っていただくため、今月の光華のカバーストーリーでは、各地の生産者を訪ねた。ローカルの風味を感じさせるビールや茶酒から、国際的に評価されるウイスキー蒸留所まで、台湾の酒の郷を巡っていく。
続いて訪ねるのは、カラーの花で知られる陽明山竹子湖だ。ここは実は台湾でジャポニカ米が最初に生産されたエリアでもある。「……稲籾を上の漏斗に入れ、右手でハンドルを回して風を送り、実の入った籾と不純物を選別していく」穀東倶楽部の招集人・陳永如さんの精米の過程や、台湾蓬莱米の歴史物語に触れていただきたい。
地域産業といえば、嘉義東石郷のカキ養殖で廃棄されたロープや漁網の再利用にも注目したい。「束になった古い漁網は地面に並べられ、もう一方では切断されたカキ養殖用ロープが溶融炉に入るのを待っている……」嘉義のカキ養殖面積から試算すると、年に台湾を10周する1300トンの廃棄ロープが出ていることとなる。これら廃棄物をリサイクル繊維に再生し、世界的ブランドに供給して環境にやさしい製品へと生まれ変わらせることができる。今月の「産業イノベーション」シリーズをお読みいただきたい。
もう一つ、今月号は「即席麵」を扱う。当帰鴨、麻油鶏、薬燉排骨などの薬膳風味の即席麺や、料理酒を使った紹興肉燥麺、紹興サクラエビ混ぜそば、それに外国人観光客が必ず食べると言われる牛肉麺などを、「光華」の取材班が読者とともに味わっていく。さらに初期の即席麵の源流や、時代とともに変化する即席麺文化にも触れていく。
「希望する派遣先を記入する時、私が唯一第一希望に選んだのは台北でした」と話すのは、台湾に駐在するスペイン商務弁事処のエドゥアルド・エウ バ・アルダペ処長だ。台湾に駐在して3年になる氏は、台湾の人情、おいしい小籠包、サイクリング、そして市街地からわずか10分で行ける登山道などについて語ってくださった。詳しくは今月号の「グローバル・アウトルック」でご紹介する。
1929年に日本の博物学者・鹿野忠雄が発見した花蓮の支亜干遺跡は、常に考古学界から重視されてきた。「光華」取材班は、数千年前の国際的な玉器工場だったこの現場を訪れ、台湾考古学界の成果を目の当たりにした。玉器遺跡と海洋貿易、オーストロネシア系諸族などの新石器時代の繁栄をつなぎ、台湾の重要な歴史の一面を再現していく。