快適な留学環境
歌手としても有名だが、気さくなクアン‧ビンは、明新科技大学を訪れるとファンに取り囲まれた。ベトナムから来た教師や学生は、台湾の大学で祖国のスターに会えるなんてと、次々と記念撮影を頼んでいた。「台湾に留学したベトナム人が台湾で就職して成功し、私も光栄に感じました」とビンは語った。
明新科技大学には東南アジアからの留学生が1200名以上在籍する。林啓瑞学長は「教育には国境はなく、東南アジアからの留学生は勉強も熱心で、言葉の壁を乗り越えようと努力しています。当学では世界で活躍できる人材を育てています」と語る。
半導体分野での業績や、イノベーションを奨励する研究環境は、インドからの留学生にとっても魅力的だ。そこでインド最大のテレビ局Zee TVのスタッフには、清華大学の修士と博士コースで学ぶインド人学生や、ハイテク企業で働くマノジュ‧クリパラニ、台湾に長く在住するインド料理シェフのマユル‧スリヴァスタヴァを取材してもらった。台湾の優れた留学環境や台湾で働く理由を語ってもらおうというねらいだ。
台湾の外交部の奨学金で留学したマノジュ‧クリパラニの場合、卒業後すぐPCパーツメーカーのASRockに就職、現在は世正開発公司で台印商業協会のインド市場開拓に尽力している。クリパラニは力強く台湾を推薦した。「世界最大の海外居住者向けSNS『InterNations』で、台湾は2019年に世界で最も居住と就職に適した国の1位に選ばれました。台湾は安全で便利、リラックスできるからです。私の職場がある南港ソフトウェアパークには台湾鉄道もMRTも高速鉄道も通っています。台湾に来た頃は台湾にボリウッドダンスの舞踊団などは数えるほどしかありませんでしたが、今や台湾全土に30以上あり、ボリウッドの人気が高いことを物語ります。インド料理店もあちこちにあります」というクリパラニの言葉に、初来台の制作チームも興味をそそられていた。
インド人スタッフのうち、ディレクターとカメラマンの4人がベジタリアンだったが、台湾の精進料理があまり口に合わなかったため、最初の2日は果物と水だけで過ごしていた。それがマユル‧インド料理店での取材でやっと野菜のカレーや炭火焼、パニールを食べることができ、満腹感を味わっていた。
日月潭のアッサムティーは、日本統治時代にインドから導入されたもので、台湾の紅茶はインドと親戚関係にあると言える。日月潭の紅茶園「和菓森林」の園主である陳彦権は、台湾山茶とミャンマーの大葉種を掛け合わせた台茶18号「紅玉」と、中国大陸祈門の茶種とインドの大葉種カイヤンを掛け合わせた台茶21号「紅韻」を取り出し、インドの撮影チームに試飲してもらった。インドで有名なグルメ番組「The Great Indian Global Kitchen」のプロデューサ兼MCであるシャモリー‧ケーラは、自身も正真正銘の美食家だが、日月潭の紅茶を飲んでフレッシュだと驚き、「甘泉魚麺」店の麺類と、南投で買った刈包(蒸しパンに具を挟んだもの)も親指を立てて絶賛した。
ベトナムのチームは、花蓮県六十石山で一面の金針花(ウコンカンゾウ)の花畑を背景に台湾の美しい景観を紹介した。(Creation社提供)