リソースを統合しイメージを確立
マーケティングで用いられるコンバージョン経路の理論では、ブランドを打ち出すには通常4つの段階がある。Awareness(注意)、Interest(興味)、Desire(欲求)、Action(購買行動)という段階だ。Startup Island TAIWANの現段階での目標はまず世界の注意を喚起することである。ただ、このブランド戦略を推進する前から、政府と民間のスタートアッププランはすでに世界的に知名度を得ている。TSS台湾新創競技場(Taiwan Startup Stadium)、TTA台湾科技新創基地(Taiwan Teck Arena)、TITANアジア-シリコンバレー新創業連結計画(Taiwan Innovation and Technology Arena)などだ。
TSSは国家発展委員会が発動し、民間企業が執行するもので、スタートアップ企業を世界市場へと導く計画だ。業界のリーダーがマーケティングや世界的なファンディングの知識や技術を指導し、スタートアップ企業が求める投資家人脈と企業をつなぎ、スタートアップチームが海外見本市に参加して世界のスタートアップ‧エコシステムと接触できるようにしている。TTAとTITANは、それぞれ科技部がスタートアップ企業のインキュベーション基地および計画として指導している。これらの組織は、海外の見本市などでも頭角を現わしつつある。たとえばTTAは今年1月に米国のコンシューマー‧エレクトロニクス‧ショー(CES)に出展して、13のチームがスタートアップ賞を受賞しただけでなく、その場でSONYから受注したチームもあった。
ただ、これらの組織がスタートアップを率いて海外に出展する時、それぞれのチームが各々のロゴを打ち出したのでは、海外のメディアや投資家に台湾としてのイメージを伝えにくい。
国家発展委員会産業発展署の詹方冠処長によると、政府は「台湾チーム」としてスタートアップを海外に打ち出し、個別のチームが孤軍奮闘することのないようにしたいと考えている。ただ、見本市にブースを出すだけでは不十分で、海外メディアが興味を持つような、より明確な台湾のイメージが求められる。「一目見たら、スタートアップの島、台湾がイメージされるようなマークが必要です」と言う。
TTA(台湾科技新創基地)はテクノロジー系スタートアップを率いて海外の見本市に出展し、可視性を高めるとともに世界のスタートアップ・エコシステムと交流している。(国家発展委員会提供)