故宮博物院は豊富なコレクションを誇る文化の空間である。
歳月の刻まれた塑像や彫刻、精巧極まる工芸、それらは幾世代もの時を経て、時間の清華を内に秘めて輝く。いずれも悠久の歴史の証人であり、人々を惹きつけてやまない。これら時空の足跡はついに故宮にその場を見出し、中華の至宝であれ、遥か遠いバチカンの宝物であれ、いずれも尊く神聖な姿を見せる。歴史を経てきた東西の美が故宮の北院と南院で向き合う。
光陰がめぐる回廊にたたずむ数々の器物や書画は、それぞれに時の流れと離散を経て残された逸品ばかりである。今月の《光華》は、我が国の文化の門である故宮博物院をご案内する。
同じく光陰の足跡は、台湾博物館に属する五棟の建築物にも残っている。五つの歴史の現場でそれぞれに百年を見守って来た建築物の表情をじっくりと味わうには、五棟が歩んできた歴史の脈絡を知る必要があるが、李乾朗氏による手描きの建築図、ドローイングがその素晴らしい手引きになる。そこには文学や美学、力学、史学への深い理解が込められており、私たちのまだよく知らない時代への扉を開いてくれる。
旧正月には干支が吉祥物として私たちを祝福してくれる。子、丑、寅、卯、辰、巳、午、未、申、酉、戌、亥の十二支が暦の円盤に並び、一年ごとに交代で幸せをもたらす。新たな年を迎える時、「分かち合い、感動、感謝」の心を忘れてはならない。小規模農家が感謝を込めて開く宴、小児病棟に笑顔を届ける赤い鼻のお医者さん、そして感謝を込めて贈りたい台湾のクリエイティブなブランド。爆竹が鳴る中、にぎやかに過ごす春節に、《光華》は心静かに生命への祝福をお届けする。
春節も光陰の足跡の一つの過程である。申年が、幸多き一年でありますよう、心よりお祈りいたします。