生活をさらに便利に
高温活性化された竹炭は、天然食用色素として食べ物に入れることも可能だ。青竹文化パークの陳靖賦も「最初に作ってみたのは竹炭麺と竹炭水餃子で、保水性が良くなり、冷めてもくっつきにくくなりました。世界貿易センターの食品フェアで披露すると、みな驚いていましたよ」と自信を見せる。
ほかにも驚くべき製品は、2015年に特許を取得した竹炭ペーパーだろう。武岫竹炭窯と屏東科技大学が長年にわたって共同研究し、吸着と鮮度を保つ効果のある紙を開発、気体吸着性能は92%にも達する。例えば、果物の発するエチレンを吸収するので、輸送の際に果物の熟成が進むのを防ぐことができる。すでに竹炭ペーパーは、輸出用生花や果物の包装材料に用いられ、鮮度を保つことで、製品価値を高めている。ほかにも壁紙に用いて、部屋の中の有害物質を吸収する効果を発揮している。
竹炭には導電性もあるので、台湾は他国に先駆けて竹炭電動車を開発した。これまでの電動車には2ボルトの電池が2個必要だったが、竹炭電動車では1個ですみ、さらに6個の竹炭コンデンサを加えることで充電時間は半分ですむ。体の不自由な人や高齢者がこの電動車でより快適な生活が送れることを期待したい。
暮らしにおける利用という発想で、木炭や竹炭は衣食住のあらゆる場面に用いられている。これらの研究と発明がさらに進み、創意あふれる多くの製品を生み出せれば、私たちの暮らしはさらに豊かで明るいものになるだろう。
高温で焼成する竹炭を使えば電気抵抗を小さくできる。その導電性から、科学者は新たな竹炭の応用を研究している。
多くの人の研究や創意によって、暮らしのいたるところに炭が取り入れられるようになってきた。