台湾の各都市も
ここ数年、台湾の外交部は、アジア太平洋諸国と友好関係にある新北市や台南市、桃園市などにもアジア太平洋文化デーの交流に招いている。新南向政策に沿った姉妹・友好都市としてブースを設け、台湾の文化力をも示すねらいだ。
「絶え間なく呼び覚まし、思い出させてほしい。ブルネイから台湾まで来た希望と目標を/我々百万個の夢に到達するために/確かに疲れて果てている/けれど全てはここから始めなければならない」これはインドネシア人のYohanes Arif Wibowoさんによる『我々の奮闘』という作品からの抜粋だ。台北市労働力重建運用処(外国人及び身体障害者労働処)が、移住労働者文学賞の歴代受賞作品から抜粋した語句をしおりに印刷し、ブースに置いて無料で配布したもので、アジア太平洋文化デーに文学の味わいを添えた。
台湾の各都市は、アジア太平洋文化と呼応するテーマをそれぞれ選んだ。台北市は移住労働者文学賞歴代受賞作品を大きな冊子にまとめてブースに置き、参観者に閲覧してもらった。
舞台の隣のブースだった新北市文化局のテーマは「行動博物館(動く博物館)」で、親子連れを集めていた。「行動博物館」は、博物館に自ら外へ出て活動してもらおうという、新北市文化局のプロジェクトだ。博物館ごとにテーマを選び、体験学習のユニットを車に載せて台湾中を巡る。一日目は「十三行博物館」による陶器復元だった。子供たちに壺のかけらを組み合わせる復元を体験してもらうもので、大人も一緒に楽しんだ。二日目は鶯歌陶瓷博物館による特性モザイク・ジグゾーパズルで、これも子供たちの人気を集めていた。新北市文化局職員によれば「僻地の図書館や小学校でも直接文化局に連絡をいただければ、博物館の車が現地まで赴きます」とのことだ。
都市間の交流を重視する台南市は、3年連続の参加だ。2016年は赤崁楼、2017年は林百貨店、2018年は安平樹屋と、毎年工夫をこらしたテーマを打ち出している。木の生い茂った家を会場に作り、英語と日本語のガイド付きで、台南の歴史や文化、観光スポットを紹介した。両日とも午後には、台南に関するクイズが催され、正解すると、鄭成功スナック菓子や、台南観光イラスト入りのメンコ、虱目魚の形をした筆箱などの賞品がもらえるので、会場は熱気に包まれ、外国人観光客も興味深げに足を止めて見入っていた。
温かい心で人をもてなすキリバスの人々は、遠くからの来訪者に貝殻で作ったネックレスをかけて歓迎する。